増えるブラックバイト‥制服購入や振込手数料の自己負担は違法?適法?

学生の間で話題となっている「ブラックバイト」。バイトでの制服購入の強制や振込手数料自己負担などを求められた都内の大学生の記事が話題となっているようです。

●学生の間で話題となっている「ブラックバイト」

今、学生の間で「ブラックバイト」が話題となっています。

アルバイトに時間と体力を奪われ、学校の講義を欠席したり、単位を落としたりと学業に影響が出ることもあるという。

厚生労働省が11月に行った初の実態調査でも、半数近くが何らかのトラブルを経験したことがあるという結果が出た。

・昨年の調査では、労働条件を示した書面の交付なしが50%を超える

厚生労働省が昨年11月に発表したアルバイトの意識調査結果では、学生1000人が経験した約2000件のうち、

労働条件を示した書面の交付がなかったケースが58・7%に達した。

●そんな中、バイトでの制服購入や振込手数料などの負担が話題に‥

「バイトの内容がブラックすぎて逃げました」。都内の大学に通うMさんが、過去の体験を振り返る。

仕事で着るユニフォームを2000円払って購入しないといけない上に、時給を950円から1000円にアップさせるための条件が、ヘルメットや靴など、工具の購入だった。

さらに、給料の振込手数料も負担することを求められた。Mさんは「これでは1回分のバイト代が全て飛んでしまうと思いました」と語る。

●アルバイトの制服購入や備品の自己負担は、違法になるの?

・適切な手続きを行っていれば「違法」とはならない

具体的には、「労働契約を結ぶ」際に、労働条件の一部として、「負担させるべき食費や作業用品その他に関する事項」を労働者に明示することが必要です

(労働基準法第15条、同施行規則第5条第1項第6号)

会社が就業規則の作成義務を負う場合(常時10人以上の労働者を使用する場合)であれば、会社はあらかじめ就業規則に作業用品などの負担額などを記載し、

労働基準監督署長への届出や従業員への周知などの手続きを経る必要があります。

・契約書・誓約書などに記載されている場合もある

契約書・誓約書などを読んでみて「装備品は返却すること」との言及がなされていればそれは貸与品です。

購入・費用についての説明があればそれは購入品であり、自分の私物です。返却する必要はありません。

・高額な負担を義務付けるような場合は、拒否できる可能性もある

バイト代と比べて、相当高額な負担を義務付けるような場合は、たとえ就業規則に根拠があったとしても、

「合理的な労働条件」(労働契約法7条)とは認められないとして、自己負担を拒否できる可能性もあると考えられます。

●一方、アルバイト先で「ノルマ」を課すところが増えている?

アルバイト先で色々な商品を販売している場合、「ノルマ」と呼ばれる目標の設定がなされる場合があります。

厚生労働省の調査では、コンビニバイトの10%以上が「商品やサービスの買い取りを強要されたことがある」と回答。

商品購入を強制されるという相談は増えており、中には給与から天引きする悪質なケースもあるそう

●アルバイトで「ノルマ」を課すのは、あり?なし?

・業務命令の範囲として許される

売上げのノルマを課すということ自体は、一般的には業務命令の範囲として許されます。

しかし、労働者に強制的に商品を買い取らせる『自爆営業』までを命じることは、業務命令権の濫用・逸脱であり、違法です。

・買わないとクビにするなどは「強要罪」に問われる可能性もある

買わないとクビにする、などと言われた場合は「強要罪」など刑法で定められている法律に触れるおそれがあり、

買い取りを強制した側に対して警察の手が及ぶ場合もあります。

こういったトラブルが起こった場合、各都道府県の労働相談コーナーに相談するか、

強制の程度によっては法テラスや警察に相談することをおすすめします。

●そんな中、早大が「ブラックバイト対処マニュアル」を作成

この春同大に入学した約9500人に無償配布したほか、一般向けにも販売する。

「ブラックバイト」が問題となる中、学生のトラブルを未然に防ごうと、早稲田大学が「ブラックバイト対処マニュアル」(早稲田大学出版部)を作成

編集には労働法を専門とする教員や学生らが協力。「賃金が最低賃金より安い」「残業代が支払われない」「休憩が取れない」「辞めさせてもらえない」などトラブルの項目ごとにまとめられている。