米国では店舗閉鎖も…スターバックスの成長に陰りが見え始めた

米国では店舗閉鎖も…スターバックスの成長に陰りが見え始めた

コーヒーチェーン大手の米スターバックスが米国内での店舗閉鎖計画を発表。ネスレとの提携やアジアへの積極展開など、今後「再生計画」が進んでいきそうです。

★今年6月、米スターバックスは2019年に米国で150店を閉鎖する計画を発表した

スターバックスの角を曲がったら別のスターバックスに遭遇する、という米国でおなじみのジョークが通じなくなる日は近いかもしれない。

店舗が集中する地域を中心に、閉鎖のペースを加速させる

スタバの米国内店舗数は昨年末時点で1万4163店と5年前より25%強増え、マクドナルドより127店も多くなっている。一方で昨年10─12月期の米州既存店売上高伸び率は2%と、アナリスト予想に届かなかった。

2017年度の実績

スーパーマーケットや空港などに出店しているライセンスストアは直営店より採算性が低いことから、こうした店舗の開業数を減らす方針だ。

ジョンソン最高経営責任者(CEO)は声明で「最近の業績は我が社の素晴らしいブランドの潜在力を反映していない」と述べ、消費者の好みや需要の変化により速く対応する必要があると強調した。

★米国内では成長が鈍化していた

米国では高級路線のコーヒー店と、低価格のコーヒーを提供するマクドナルドなどファストフード店の間で、スタバは苦戦を強いられている。スタバは、米国市場での停滞が足を引っ張り、18年4〜6月期の世界既存店売上高は前年同期比1%増にとどまるとの厳しい見通しを示していた。

店舗数の拡大による成長という戦略シナリオを修正。出店数を抑えつつも、十分に進出できない地域への出店は続ける。また店舗では、消費者の健康志向に合わせ、健康志向商品のラインナップを増やすすともに、茶や生鮮食品系の商品も増強する。

健康志向が商品開発のキーワードに…

★ネスレとの提携も発表

スイスの食品大手ネスレは、米コーヒーチェーン大手スターバックスと提携し、スターバックス店舗以外で同社の商品を世界中で販売する権利を取得することで合意した。提携の一環として、スターバックスに71億5000万ドルを支払う。

ネスレにとっては、コーヒー市場における競合企業との初の提携となった。

ネスレの発表資料によると、同社はスターバックスのコーヒー製品販売の権利取得のために最初に現金71億5000万ドル(約7800億円)を支払う。ネスレはカプセル式製品「ネスプレッソ」「ドルチェグスト」にスターバックス・ブランドを活用する。

スターバックスは7日、売却金を活用し、自社株買いを加速する方針を表明。2020年度までに自社株買いや配当を通じて株主に約200億ドルを還元する見通しだとした。

★スターバックスの店舗で起きた、黒人差別事件も影響した模様

スターバックスの店舗で、店から出て行かない黒人男性2人を警察を呼び排除したことが黒人差別に当たるとして非難されていた。

スタバは謝罪に追い込まれ、米国内の約8000を超える全直営店を閉めて約17万5000人の従業員に再発防止に向けた研修を実施するなど対応に追われた。

研修には多額のコストがかかり、季節商品のキャンペーンにも遅れが出た。

★今後は、アジアでの成長を見込む

米スターバックスは17日までに、2022年の終わりまでに中国本土で約3000店を新規オープンさせ、中国での店舗数を現在の3300店の約2倍にあたる6000店に拡大させるとの計画を明らかにした。

スターバックスの業績は、米国市場よりも、中国やアジアでの市場のほうが高い成長を見せている。スターバックスの18年1~3月期決算によれば、中国・アジア太平洋地域の売上高は前年同期比54%増だった。米国とカナダ、南米の売上高は8%増にとどまった。

★日本のスタバは大丈夫?

スターバックスといえば、1995年の日本上陸以降、若者やビジネスマンを中心に広く支持を得てきた。家(ファーストプレイス)、職場(セカンドプレイス)でもない、サードプレイスを生活の中に提案することで、時に人々を癒し、エネルギーチャージをする場を与えてきた。

日本の店舗数は増加傾向が続いており、18年3月末時点で1342店を展開。

駅前など好立地での急速な店舗拡大、シーズンごとに変わるキャッチーなフラペチーノなど、メニューを充実させたことによって、スターバックスの客層は広がり、老若男女だれもが入れるサードプレイスになっていった。“憧れのスターバックス”は“身近なスターバックス”に変わってきたと言える。

★しかし顧客満足では、あまり評価されていないようです

2017年度「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の調査結果によると、カフェ部門の顧客満足度指数において、ドトールコーヒーが3年連続で1位を獲得。スターバックスは顧客期待、知覚品質、推奨意向の3指標では首位だったものの、顧客満足では上位4社から外れる結果となった。

顧客満足度はドトールがトップを維持。価格の違いも大きい。

スターバックスは14年度に初めて顧客満足で1位を獲得。その他の4指標でも首位となり、消費者から圧倒的な高い評価を得ていた。しかし、15年度には3位、16年度には4位に後退。

スタバの顧客満足度が低下しているのは、「価格が高い」「混雑している」「意識高い系の客が多い」という3つのポイントにおいて不満を覚えている客が増えているためだ。

「混雑している」ことと「意識高い系の客が多い」ことについては、店内でパソコンを使用する客が多く席が空かないことが理由のひとつと思われる。

★ファーストフードやコンビニとの競合も激しくなった

マクドナルドが08年に豆のグレードを上げて「100円コーヒー」を販売したところ、約1カ月半で前年度の4分の1に当たる3000万杯を売る大ヒット商品となったのを受け、コンビニ各社がレギュラーサイズで1杯100〜180円のいれたてコーヒーの販売を一斉に始めるようになった。

★日本での成長はまだ見込めそうだが..

米国ではスタバとマクドナルドの店舗数は同程度。そのため、スタバは日本でもマクドナルドと同程度の店舗数を展開できる可能性があると考えることもできる。マクドナルドは日本で現在約2900店を展開しており、スタバも同程度まで拡大したいところだろう。

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