なぜ一等地に?実は税金のムダ?アンテナショップの採算性と費用対効果!?

「銀座」「有楽町」「日本橋」等の都内一等地に出店するアンテナショップ。賃料だけで年間で、5400万円?その利益は?実は赤字では?!今こそアンテナショップの採算性と費用対効果を検証すべきではないでしょうか?

企業のアンテナショップ

主に消費者向けの最終製品を手がける企業が開設する。いわゆるショールームとしての機能のほか、自社製品のユーザー向けのサポート窓口・修理受付、消耗品の販売などを行うことが多い。

場所としては主に当該企業の本社ビル内やその周辺、あるいは人の多い繁華街に出店するのが一般的(例:メルセデス・ベンツ コネクション、ホンダウェルカムプラザ青山など)。最近ではキヨスクにアンテナショップの機能を持たせたものも登場している

自治体のアンテナショップ

主として東京都内の山手線沿線等におかれ、地方自治体の特産品を紹介することを主たる目的としている。東京都も都内に設置しており、中には沖縄県のように県内以外に複数設置しているものもある。

店舗には特産品の直売所やギャラリー、観光情報コーナーなども備えられており、地方出身者の必需品の買出し、首都圏在住者の購買等に利用される。

北海道の北海道どさんこプラザ、宮城県の「コ・コ・みやぎ」、新潟県の「ネスパス」、香川県・愛媛県(共同設置)の「せとうち旬彩館」、鹿児島県の「かごしま遊楽館」など、特産品の販売だけでなく飲食店を併設するものもある。

採算性は二の次

東京都内にあるアンテナショップは現在55店、そのうち42店舗は都道府県、13店舗は市町村が整備しています

売上高だけをみても7億円以上は北海道、広島、沖縄の3自治体だけで、1億円以上7億円未満が26自治体となっています。

このような経営規模でアンテナショップは魅力的な店舗経営を行い、採算性も確保され、バリバリ営業成果が生まれているのでしょうか。

アンテナショップは「自治体のPR」や「特産品のPR」という話が開設目的の上位2位を占めています。「税金を使ってPRができればOK、別に商売のためだけに経営しているわけではないよー」、ということなのです。

どこのアンテナショップの資料をみても、来客数と売上高が全面に出て「◯万人きています」「年商◯億円売れています」とアピールするわけですが、売上高がどれだけあっても、経費がそれ以上にかかれば赤字になります。

売上高1億円を挙げても実態は赤字

地方自治体は「『地元PR』をするためには有名な立地に出店しなくてはならない」と、地方の人でも誰でも知っている「銀座」「有楽町」「日本橋」などの立地をこぞって選択します。言うまでもなく、日本で一番家賃が高い場所、といっても過言ではない立地です。

平均的な30坪の店を出すと、最良の立地だと450万/月?、年間でいえば、5400万円に達します。さらに2F、3Fは路面よりは安くなるとはいえ、イベントスペースや事務所なども確保して、1-2Fを借り切ったアンテナショップなどを経営しようと思えば、年間家賃だけでもとてつもない金額に達することが分かります。

売っている商品の多くは、数百円から高くても数千円の食品や調味料などが基本です。さらに小売販売なので、売り上げからとれる粗利益率(人件費などを加味しない「素」の利益率)は20%~30%程度

1億円売り上げたところで、多くても3000万円程度の粗利であり、ここから初期投資の回収をしながら家賃や人件費や水道光熱費などの支払いを賄うことになるわけで、到底足りません。

各自治体のアンテナショップには、年間数千万~数億円の予算が組まれており、つまりそれだけの赤字を税金で補填しなくては店が存続できないというわけです。

実際に、民間のフジテレビ系列がやっていた地方の物産を集めた「銀座めざマルシェ」は銀座にオープンしたものの、2年持たずにあえなく撤退しています。行政によるアンテナショップは、民間には不可能な採算度外視店舗なのです。

なぜ採算を度外視してまでも、自治体はこぞって出店するのでしょうか。ここで問題なのは、「地方の商品が売れないのは、知られていないからだ」という、地方と生産者と都市にいる顧客の「情報の非対称性」を理由にしたりする人がいることです。

アンテナショップの悲しいリアル

今は昔と違って、東京都内の百貨店のデパ地下、駅ナカ、さらにはスーパーに至るまで、地方食材を多様に取り扱っています。さらにインターネットもあるため、一等地に店を出すだけで、多くの人に良さが伝わり売れる、なんて都合のいい話はそうそうありません。

アンテナショップには一見良さそうに見える「地域縛り」で集められた、バイヤーも買い付けしない、ネットで消費者も指名買いしないような「売れない地元商品」を、とんでもない家賃の立地にそろえることになります。

それだけではお客様も来ないので、「地元の有名な商品」も取り揃えて抱き合わせて売り場を作って客を集めている、というのがアンテナショップのリアルなのです。

売れ筋も死に筋も一緒にして、税金で採算度外視で安売りするということは、付加価値を産むどころか、ある意味毀損しているとも言えます。

本当に地方食材などを東京で流通させたいのであれば、銀座などに置くのではなく、東京都内に展開している店舗への営業を行うのが基本です。銀座の一等地に店を構えても、1店舗での売り上げはどんなに頑張っても数億円程度。

1つのアンテナショップに納めて偶発的な取引任せなんかにしてても成長はなく、例えば都内の5~10店舗に営業をかけて、売り上げを作ってもらう努力のほうが本筋なのは、自明です。

「アンテナショップの幻想」

昨今では地方産品を、「ふるさと納税」による節税効果をもとにして、寄付者に実質安売りして提供したり、さらには海外への販路拡大という名目でアンテナショップを海外にまで進出させているところもあるのです。

そもそも商売をやるような組織ではない行政が、このような事業をやっても、結局は万年赤字です。税金がどんどん使われ続ける一方、地元企業がその経費以上に儲かって納税金額が拡大する、といった成果までは起きていません。

本気で商品を売り込みたいというのであれば、ちゃんと民間の卸会社やさまざまな店舗・ネットのバイヤーと付き合い、商品の魅力を伝え、売り込みをする。そして商品の問題点を指摘されたら改善していくという「当たり前なこと」と向き合うことこそ、本当の販路開拓です

民間にも問題があります。当たり前の営業努力をせずに、税金で家賃のバカ高いアンテナショップを開くようなところに、うまいこと話をつけて商品を置いてもらい、自動的に商品が売れることに期待するとすれば、そんな民間企業にも大きな問題があるのです。

すでに地方産品への注目は十分に高まり、特徴があって市場性のあるものは東京都内や大都市のさまざまな売り場に並ぶだけのチャネルが出来ています。

ネットもあります。そろそろ、官民ともにアンテナショップの惰性に任せた経営を見直し、正当な民間主導の販路開拓に戻ってもらえることに期待するところです。

気になる人気ランキング

アンテナショップに行ったことがあると回答したのは、全体の64.9%。男女・世代別にみると30代女性がトップで、男性は40~50代に人気が高め。ところが利用頻度を聞くと、意外にも20代男女がトップに!

「ほぼ毎日行く」という20代女性や、「週に4~5回程度行く」という20代男性など、若年層はコンビニ感覚で利用しているよう。そんな行ったことのある885人に、「行ってよかったアンテナショップ」を聞いてみました。

1位北海道どさんこプラザ(北海道)北海道どさんこプラザ(北海道)212人
2位銀座わしたショップ(沖縄県)銀座わしたショップ(沖縄県)72人
3位新宿みやざき館KONNE(宮崎県)新宿みやざき館KONNE(宮崎県)47人
4位宮城ふるさとプラザ(コ・コ・みやぎ)(宮城県)39人
5位表参道・新潟館 ネスパス(新潟県)33人
6位いわて銀河プラザ(岩手県)31人
7位かごしま遊楽館(鹿児島県)19人
7位むらからまちから館(全国)19人
9位おいしい山形プラザ(山形県)18人
10位茨城マルシェ(茨城県)17人

買ってよかった、お気に入り商品はコレ!
「ジンギスカン味のキャラメル」(北海道どさんこプラザ) 40代男性 会社員
「ウツボのたたき」(まるごと高知) 30代男性 自営業
「努努鶏」(ザ・博多) 20代男性 公務員
「コンビーフハッシュ」(銀座わしたショップ) 40代女性 会社員
「あくまき」(新宿みやざき館KONNE) 30代女性 会社員
「カップせんべい汁」(あおもり北彩館) 30代男性 専門職・自由業
「バウムクーヘン 三方六」(北海道どさんこプラザ) 40代男性 会社員
「生姜入りポン酢」(まるごと高知) 40代女性 会社員
「南部せんべいのミミ」(いわて銀河プラザ) 30代女性 会社員
「気になるリンゴ」(のもの上野店) 40代男性 会社員
「はっさく大福」(広島ブランドショップ「TAU」タウ) 50代男性 会社員
「レモン牛乳」(とちまるショップ) 30代女性 専業主婦
「かご盛レアチーズケーキ」(北海道どさんこプラザ) 50代女性 会社員
「こんぶ麺」(北海道どさんこプラザ) 30代男性 会社員
「めしどろぼうさん」(茨城マルシェ)40代女性 専業主婦

アンテナショップでよく購入している、お気に入りの商品を教えてもらいました。ジャンルでいえば、菓子類や水産物・水産加工品を目当てに行くという人が大多数。具体的な商品名を出してくれた人は、やはり“ここでしか買えないから、行ったら必ず買う”と、リピート買いにつながっているようです。

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