106万円の壁、夫婦控除、36協定見直し…私達の働き方が変わろうとしている

2016年秋、私たちの働き方に関するルール変更のニュースが話題となっています。アルバイト、パート・主婦、派遣社員など非正規雇用の短時間労働者の社会保険の加入要件拡大、配偶者控除が廃止され夫婦控除の導入…!?更に社会問題化する残業の常態化、長時間労働問題に関わる36協定の見直しなどをまとめました。

◆私たちの働き方が変わろうとしている

2016年秋、

社会保険の加入要件拡大、
配偶者控除、
長時間労働の是正

など私たちの働き方に大きく関係する
ルール変更のニュースが
注目を集めている。

1.社会保険の適用範囲拡大…”106万の壁”が出現!?

2016年10月から
パート・主婦などの
社会保険加入の基準が
変更される…

社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象を拡大する制度改正が10月1日から施行される

10月から、パート主婦や派遣社員などの短時間労働者に対する社会保険の適用が拡大され、「130万円の壁」が見直される

従業員数501人以上の企業で年金や健康保険の社会保険料を払う基準が変わる

10月以降はこれまでよりも約25万人の短時間労働者が、社会保険に加入するようになると試算されている

厚生労働省によると拡大対象は全国約25万人。

このニュース
どれくらいの人が知ってるの…?

社会保険の適用拡大について知っているか聞いたところ、「知っている」と回答したのは67.5%

「130万の壁」とは…?

サラリーマンのパート妻は、年収130万円までなら、夫の健康保険を使えて、年金保険料を納める必要がないという制度

勤務時間や日数が正社員の4分の3以上なら健康保険、国民年金保険の負担が発生し、そのぶん“働き損”となってしまう状況が生まれてしまう

この130万円の壁にひっかからないように労働時間を調整するパート・主婦たちも多い。

2016年10月から
130万の壁に加え、106万の壁が新たに出現。

条件に当てはまる人は、
社会保険に加入し保険料を支払うことになる。

サラリーマンの夫に扶養されている妻で、従業員数501人以上の企業で働いているパート主婦は、「130万円の壁」が「106万円の壁」に引き下げられることになった

10月からは条件に該当する人は、106万円になると会社の社会保険に加入して厚生年金、健康保険の保険料を支払うことになります

当てはまる人は頭が痛い…

A:労働時間が週20時間以上
B:給与の月額が8万8000円(年収なら106万円)以上であること
C:勤務期間が1年以上
D:学生ではないこと
E:従業員数が501人以上の事業所に勤務している

5つ全ての要件を満たすと対象となる。

要件をすべて満たすとパートやアルバイトなどの短時間労働者であっても、社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入する必要があります

社会保険に加入せずに済むよう、勤務時間を減らし、年収を106万未満に抑えるか…

それとも
勤務時間を増やし年収をアップさせるか…

パートで社会保険に入る場合、年収106万円を超えて働き、年収125万円以上を目指すか、年収105万円以内に抑えるか

手取り年収が下がってまで夫の扶養を外れたくないと考えるなら、年106万円までに収まるよう働き方を変える、500人未満の会社に勤めるなどの対策が必要

一方、社会保険に加入すると負担が増えるため、マイナス面を考えがちですが、
将来の年金や健康保険の保障などは充実するのでメリットもあります。

社会保険に入ることはメリットもあります。在職中に働けなくなったら、健康保険から最長で1年半傷病手当金が支給される

傷病手当金、出産手当金なども受け取れる。

厚生年金に加入し自分で保険料を負担すれば、基礎年金に上乗せされて老齢厚生年金ももらえるようになります

負担は増えても保障は手厚くなるというメリットも。

2.配偶者控除がなくなり”夫婦控除に”…?

パート・主婦にとっては
意識しなくてはならない壁は
「130万の壁」「106万の壁」だけではない。

それが配偶者控除が関係する「103万の壁」

「103万円の壁」とは妻の収入が103万円を超えると、夫が配偶者控除が使えなくなる壁

夫が社会保険に加入している場合に、妻のパート年収が103万円以下であれば、基礎控除38万円+給与所得控除65万円があり、所得税は免除となるというもの

この「103万の壁」が女性の就労を妨げているといった問題が指摘されている。

配偶者控除をなくし、代わりに夫婦であれば働き方に関係なく適用する「夫婦控除」の導入が検討されている。

配偶者控除を受ける、受けないで、夫の税金が変わることから、妻は、パートの収入を扶養(配偶者控除が受けられる)=103万円の範囲に抑えようという意識が自然に働きます

103万までに抑えようとして、女性が自ら労働時間を制限してしまう、といった問題が指摘される。

配偶者控除は廃止し、夫婦であれば誰でも控除が受けられる「夫婦控除」に転換し、女性の社会進出を促す方向で検討している

2017年税制改正で見直しが検討されている。

見直しに慎重な声も根強くあり、自民党税制調査会は、こうした声も踏まえて議論を進める

専業主婦の世帯などで負担が増えるケースも出てくるといった反発もあり、
見直しに慎重な意見もあるようだ。

3.社会問題化する長時間労働…”36協定”見直しへ

残業の常態化、
長時間労働をさせるブラック企業…

こういった問題が後を絶たない。

残業が常態化し、労働者を肉体的にも精神的にも追い込んでいくような劣悪な労働環境となっている会社がいくつもあり、大きな社会問題となっています

そんな中、議論されているのが”36協定”

労働基準法では、労働時間を一日8時間(週40時間まで)と定めているが、36協定(第36条)の特別条項を労使で締結すれば、会社は無制限に残業させられる、というもの。

企業と労働組合が協定を結べば、上限を超える残業や休日出勤ができる

労基法36条に記載されているため、36協定と呼ばれている。

所轄労働基準監督署長に届け出れば、従業員に残業をさせても法違反にならない

合法的に社員に労働を課すことができるため「長時間労働を助長させる弊害になっているのでは」との見方もある制度

中には過労死ラインとされる月80時間以上の残業を行わせる会社も存在。

最近になって政府が36協定制度を見直す方針(上限を超える時間外労働は原則禁止、罰則規定の新設)を表明しています

働き方改革について「意に反した長時間労働はわが国から根絶すべきだ」と述べた

塩崎厚労相もこのように述べ、不本意残業の根絶を訴え、36協定の抜本的な見直しを強調した。