居抜き物件で開業するメリット・デメリットとは?

設備や什器設備品、家具などが付いたままで出店する居抜きは、安く、そして早期開店できることで人気があります。一方、全てが中古品なためにクリーニングや害虫駆除、修理や廃棄費用・買い直しなど思わぬ出費をする可能性や、立地や前店舗がなぜ閉店したか確認しないと同じ失敗をする羽目に…

■低コストで早期出店の居抜き

居抜きとは、設備や什器備品、家具などがついたままで売買または賃貸借されることです。
主に飲食店や旅館、店舗、工場などで、営業用設備や内装が付帯した状態での売買や賃貸をいいます。居抜きで購入したり借りた人は、すでにある設備を利用することで初期費用を抑えることができ、早期に営業が開始できるという利点があります。居抜きでは、付帯設備の価値も含めて物件の価値が判断されます。

スナックなどの業態に多いのですが、一通り全て揃っており今すぐにでも開業できるような物件もあります。

一方、厨房機器が全て撤去されて無くなっており、家具やカウンターだけの場合もあります。

厨房機器やエアコンなど付いているとお得な感じがするのですが、実は必ずしもそうでは無いことがあります。。
というのは、居抜きの厨房機器をそのまま使うにしてもクリーニングの費用が発生しますし、故障による修理費用の発生や、場合によっては廃棄費用が発生することもあります。。
エアコンも10年以上前の年式ですと最近の省エネエアコンに比べて電気代が2倍以上かかることがあります。

■どこからが「居抜き」なのか?

「居抜き」とは、一般的には、床・天井・壁・厨房・お手洗など、店舗内の主要設備が残っている状態で、「今すぐにでも開店できるような物件」のことを言います。 しかし、物件によっては、「床・壁・天井だけあります」、「厨房だけあります」というように、「内装が一部だけ残っている」という場合でも「居抜き店舗」と使ったりします。(その場合は 「一部居抜き」 といった表現をすることが多いです)

■居抜きで開業するメリット

『低コスト』と『工期が短い』ことが挙げられます。
特に内装工事においては細かな建具類が実は非常にコストがかかっており、以前のお店の造作を利用すれば新たに作る費用がかからず開業に関わるコストを削減できます。

スケルトンで開業する場合に比べて半分から1/3のコストで済むとも言われています。

また、新たに工事する箇所が減ることによって工期が縮まり、工事期間中に支払う空家賃も節約できるというメリットもあります。

■居抜きで開業するデメリット

居抜きとは、つまり全てが中古品ということになります。
さらに注意が必要な点は、商品化された中古品、例えばテンポスバスターズのリサイクル商品とは異なり、前のお店が使用していた『そのまま』の機器・設備・造作であるということです。

つまり電気屋さん・ガス屋さんの点検・整備も無く、クリーニング業者の手入れも、保証も付かない中古品ですので故障や害虫の発生といったことも発生しやすいと言えます。

初期投資を劇的に減らすことも可能な一方で、クリーニングや害虫駆除、場合によっては修理や廃棄費用・買い直しなどにより、かえって費用がかかることもあります。

また、以前は別のお店だった場所に新たに開業するわけですから、以前のお店のが撤退した理由が必ず存在しますし、また以前のお店の評判やイメージを引き継いでしまうことがありえます。

以前のお店が15年・20年と地域に根ざした人気店で、高齢化や病気などの理由で撤退したのでしたら何の問題もありませんが、このような例は確かに実在するものの少ないです。

まずは、前のお店の撤退理由を確認する必要があります。

■居抜き物件にはハズレもある。内覧でチェックすべき6つのポイント

とにかく「安く」「早く」開業できると今流行りの居抜き物件。スケルトン物件よりも気軽に開業しやすいことから、飲食店に限らずあらゆる業態で人気が高く、居抜き物件専門の不動産も多くあります。しかし居抜き物件は「中古品」であるがゆえに注意すべきポイントがあります。

前テナントの撤退理由

居抜き物件を検討するうえで忘れてはいけないのが、一度開業し、撤退を決めた店舗であるということです。前テナントが撤退した理由についてはお店のオーナーや不動産会社に必ず尋ねるようにしましょう。

一番多い撤退理由は「経営の悪化」によるものです。こういった物件で同業態で開業する場合は、よほど綿密な戦略を立てなければお店の成功は難しいでしょう。全くの異業態としてオープンする、異なったターゲット層を狙うといった勝算がないのであれば、コストがかからないことだけを理由に出店するのは控えるべきです。

逆に撤退理由が「経営の悪化」以外の事情で、「やむなく手放す」というものであればラッキーだと言えるでしょう。しかしいずれの場合にしろ、自分が開業する前に前テナントのオーナーがぶつかっていた課題や障壁を分析し、自分はそれをどのように乗り越えられるのかを考えることが大切です

近所の評判

居抜き物件のメリットはなんといっても設備をそのまま引き継ぐことができることですが、前のお店の評判や噂もそのまま引き継ぐことになるのをお忘れなく。同じ業態で開業する場合はもちろん、イタリアン→フレンチや美容院→エステサロンといった前テナントと似た業態の店舗で開業する場合も、集客に響いたりします。

また評判のいいお店であった場合でも、前のお店のイメージが強すぎて開業するお店のコンセプトがうまく伝わらなかったり、お店が変わったことを訴求するための看板・外装のリフォームに思っていたよりも費用がかかってしまうなんてこともあります。居抜き物件で開業する際には、前テナントからのイメージをガラッと変えたことが伝わる工夫が重要です。

内装・外装

居抜き物件を内覧する際には「どこを変えて、どこを活かすのか」を考えながら内覧するようにしましょう。 居抜き物件のメリットである「低コスト・短工期」を最大限に活かすのであれば、厨房の区画はそのまま使うことを基本で考えるべきです。

また前述した通り、前テナントのイメージを一新するためにもお店の第一印象を決める外装はぜひともこだわりたいところですが、大がかりにしてしまうと工事費用がかかってしまいます。 色を塗り替える、一部分に装飾を加える、一部を撤去するといった変更などは比較的費用を抑えながらもイメージチェンジができるのでおすすめです。

機器

どのような業態であっても業務用で使う機器は高額なものが少なくありません。しかし、機器には耐久年数というのがありオープンして数年以上経ったお店だったりすると、「オープン直後に壊れてしまった」「撤去して処分することになったはいいものの、解体費用が、、」なんてトラブルも少なくありません。

そんな事態にならないためにも、動作状況(電源を入れてみる)や性能(実際に使ってみる)の確認はもちろん、外傷や匂い(とくに冷蔵庫の中など)なども忘れずにチェックするようにしましょう。

インフラ設備

お店づくりというと外装や内装を一番に考えてしまいがちですが、実は最もお金がかかるのがインフラ設備です。必要なインフラ設備が整っているかどうかどうかで、工事費が大きく変わるのでここは重点的に見るようにしましょう。

とくに前テナントから業態が変わるときは注意が必要です。使う火力や電力、給排気量が大きく変わると、設備の新設や容量アップの工事が必要になります。ビル全体の電気の容量が足りないとなると増設工事だけで200~300万円の費用がかかってしまいますし、また水回り、例えばトイレの位置の変更などは50-100万円ほどの費用が必要です。こうった区画が不自然な物件についてはそこに造らざるを得ない事情があったと考え、専門家に見てもらうべきでしょう。

契約内容

内装や設備、業務用機器などはリースを利用するオーナーも多くいるため、必ずリース契約の有無を確認するようにしましょう。リース会社が契約している設備や機器を持ち帰ってしまったり、前オーナーの気が変わって持ち出されてしまったりと、譲渡してもらえると思っていたモノが引き渡し時にはなくなっていたというトラブルが起きがちです。また無事譲渡された場合でも、リースで契約しているモノの残債は誰が払うのかについて揉めるケースもあります。

リースはあくまでリース会社の資産であり、それらは最終的には返却されなければなりません。こういったトラブルを防ぐためには、契約を交わす前に必ず前オーナーと共同で、譲渡品のリストを作っておくようにしましょう。たとえ友人・知人であっても、書面で取り交わすことが大切です。

■居抜き物件でかしこく開業するために

譲渡料がかからない、立地がいい、費用が抑えられるからと「早く契約しないと!」とばかりに居抜き物件に飛びつく前に、「自店のコンセプトを本当に実現できる物件か」をもう一度立ち止まって考えてみましょう。

「安さ」に目がくらみがちな居抜き物件だからこそ、「たとえこの物件が居抜きでなく、スケルトンであっても借りるか」という視点で検討することが最も大切です。

■居抜きは損か得か?

例えば、10坪の焼き鳥屋さんが10年営業して閉店するとします。 同業である焼き鳥屋さんが借りるのであればそのまま使えるものが多いですね。 しかし造作譲渡が例えば300万円だとそれだけの価値があるのか考えなければなりません。 業務用の厨房器具や空調は、10年が目安で故障が増えます。 その時は使えていてもいつ壊れるかわかりません。 しかも閉店するお店は、閉店する理由があるのです。 儲かっていたらやめませんから、儲からないからやめる方が大半です。

儲かるお店の方程式
  料理(商品)+サービス(接客・価格)+雰囲気(内外装)
  =リピートしたくなる店

ですので、雰囲気がよくない、つまり内外装がよくないので駄目だった可能性が結構高いのです。立地の問題もあります。
仮によい内外装だったとしても、前の負の遺産を引きずらないようにするには、結構リニューアルしないとなりません。 予算300万円かけてリニューアルすると全部で600万かかります。 600万円あればスケルトンからつくれる可能性もあります。

同業でもその位の目安ですから、別の形態、例えば流行りのバルなどに変えるとすると、もっと大きなリニューアルが必要になります。 大きくリニューアルするときは一旦壊して造るわけですから、壊す費用も出店者もちです。他にも色んな要素がありますので、本当に得といえるかよく専門家に見てもらってから物件のご契約をされた方が良いと思います。

得になることが多い場合の事例を簡単に挙げると、
 ・同業同種の業態であること。
 ・厨房をできる限りそのまま使えること。
 ・内装は造作物(カウンターなど)を造り変えず、仕上げ替えだけで済むこと。
 ・仮に途中で床鳴りがしたり機器の調子が悪くなっても割り切れること。
などです。

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