会社設立後の手続き。こんなに必要だなんて・・・

仮に、4月1日に会社を設立したと仮定して、そのあと発生する諸手続きをまとめました。
会社設立前の方も、設立した後の方も、必要な手続きは忘れないようにしましょう!

出来るだけ早く:創業融資の申請

創業融資は、必須の手続きではありませんが、もし少しでも融資を受けようという気持ちがあれば、会社を設立した後に、すぐに申請するべきです。
創業直後であれば、金利が優遇されるなどのメリットがあるほか、銀行も事業計画書で融資するか否かを判断してくれます。

従業員採用時:適用事業報告書

労働者を雇い入れた時から労働基準法の適用事業所となります。

適用事業報告はその事実を所轄労働基準監督署長に報告するための書類です。この場合の労働者とは、臨時労働者、季節労働者、パートタイム労働者、アルバイト等を含みます。ただし、同居の親族を雇い入れた場合には提出する必要はありません。

適用事業報告書は、社会保険労務士の独占業務ですので、自社でできなければ社会保険労務士にお願いしましょう。

4月5日:健康保険・厚生年金保険・新規適用事業所現況書

社会保険の加入形態には「強制適用事業所」と「任意適用事業所」の2種類があります。
「強制適用事業所」とは、事業主や従業員の意思に関係なく、健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられています。
「任意適用事業所」とは、日本年金機構(年金事務所)の許可を受け健康保険・厚生年金保険に加入することができます。
法人の場合は、従業員の人数に関係なく、全て社会保険の適用事業所になります。

民主党の歳入庁ワーキングチームは8日の会合で、税と社会保険料を一体的に徴収する歳入庁の設置に向けた政府の工程表を了承した。独立行政法人の日本年金機構が担う国民年金保険料の強制徴収業務を2015年前後に国税庁に統合し、18年以降にすみやかに歳入庁を設置する。

最近は、社会保険の加入逃れに対する指導が厳しくなってきました。
会社を起こす場合は、社会保険に加入した際の負担をよく検討しておく必要があります。
従業員がいなのであれば、役員報酬をゼロ円にすれば社会保険に加入する必要はなくなりますが、何のために起業するのか、よくわかりませんね。。。

4月15日:法人設立・設置届出書(東京都の場合)

東京都内に新たに支店等を設置した場合には、法人設置届出書を納税地の所轄都税事務所長及び市町村長に設置の
日以後 15日以内(市町村においては当該市町村の定める期間内)に提出しなければならないことになっております

税務署への法人設立届出書は、会社設立後2月以内に提出すればOKですが、地方自治体にも提出しなければいけません。
届出書の名称は自治体によって異なりますが、内容はほぼ同じです。
東京都の場合は、支店等を設置した場合は15日以内に提出しなければならないようです。
東京都以外の場合は、これとは別に市町村にも書類を提出する必要があります。

保険関係が成立した翌日から10日以内:保険関係成立届、等

殆どの事業が当てはまる一元適用事業所の場合の流れを解説します。

流れとしては、労働保険の「保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署に提出します。その後、雇用保険の加入手続きを行えるようになりますので、「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を所轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出します。

そして、その年度分の労働保険料(保険関係が成立した日からその年度の末日までに労働者に支払う賃金の総額の見込み額に保険料率を乗じて得た額)を概算保険料として「概算保険料申告書」と同人申告・納付することになります。概算保険料に関しては所轄の労働基準監督署以外にも都道府県労働局や日本銀行(金融機関)または郵便局でも取り扱っています。

一番スムーズな手続きの流れは、「保険関係成立届」と「概算保険料申告書」を揃えて所轄の労働基準監督署に行き保険料の納付までを行い、その足で公共職業安定所(ハローワーク)に行って雇用保険の手続きを済ませるのが効率的ですね。

労働保険の適用事業となったときは、まず労働保険の保険関係成立届を所轄の労働基準監督署又は公共職業安定所に提出します。そして、その年度分の労働保険料(保険関係が成立した日からその年度の末日までに労働者に支払う賃金の総額の見込額に保険料率を乗じて得た額となります。)を概算保険料として申告・納付していただくこととなります。

雇用保険の適用事業となった場合は、上記のほかに、雇用保険適用事業所設置届及び雇用保険被保険者資格取得届を所轄の公共職業安定所に提出しなければなりません。

厚生労働省のHPより

給与の支払いが決定したら:源泉所得税の納期の特例に関する申請書

会社設立後、給与などを支払う際に源泉徴収した所得税は、
原則、翌月の10日までに税務署に納付しなければなりません。

ただし、給与の支給人員が9人以下の会社の場合は
半年分をまとめて納付することができるという「特例」があります。

この「納期の特例」を受けることで
納付期限は
7月10日(1~6月支払い給与分)
1月20日(7~12月支払い給与分)
となります。

この特例の適用を受けるために提出するのが
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。

源泉所得税の支払いは、銀行などで納付しなければなりません。毎月銀行に行くのはおっくうですし、支払いを忘れるとペナルティもあります。この申請書を提出して、無駄な時間を省きましょう。

給与支払い時毎月:給与計算

お給料を支給する場合は、毎月、源泉所得税や社会保険料、住民税などを考慮して、実際に支払うお給料を計算しなければなりません。

5月31日:法人設立届出書

この届出書は、設立した会社の概要を税務署に通知するために、法人税法第148条、法人税法施行規則第63条で定められた書類です。

会社運営に伴う税金関連の書類については、この手続き後に税務署から送付されます。

東京都の場合、4月15日に似たような書類を提出しましたが、今度は税務署(国)に提出します。自治体よりも、国のほうが遅いのって、少し不思議ですね。

5月31日:給与支払事務所等の開設届出書

株式会社などの法人が、給与の支払者として、国内において給与等の支払事務を行う事務所を開設した場合、税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出しなければなりません。

簡単に言うと、会社が、誰かに給料を支払うようになったら提出することになります。

給料を支払うときは、会社が所得税を天引き(源泉徴収)して税務署に納めることになります。

「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出すると、源泉徴収した所得税を納付する用紙が会社に送られてきます。
源泉徴収した所得税を納めないとペナルティとして余計に税金を払うことになってしまうので、「給与支払事務所等の開設届出書」は忘れずに提出してください。

6月30日:役員報酬の決定

役員の報酬は、定期同額と言って、一度決めたらその事業年度内は変更することができません。変更してもいいのですが、変更してしまうと経費として認められなくなりますので、税金面で非常に不利になります。
役員報酬は、起業後3か月以内に決定しなければいけません。
そのため、どれくらいの利益が出そうか、よく検討したうえで決定しましょう。

6月30日:青色申告承認申請書

今後の法人税の申告を青色申告で行います、ということを税務署に申請する書類です。
青色申告にすれば税制上の優遇が受けられます。
主なものは損失繰越、少額資産の損金算入、などです。
青色申告の申請をしない場合は白色申告となり、税制上の優遇を受けられません。

7月10日:源泉所得税の半期納付

「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」を提出している場合は、源泉所得税を国に納付するのは年に2回だけになります。
そのうちの1回です。
ここでミスっても、1月20日に納付するときに調整すれば、挽回は可能です。

早めに:納税額の予測、節税の検討、納税資金の準備

記帳を毎月きちんと行うことで、その期の税額の見通しを立てることが出来ます。この見通しを早く立てれば立てるほど、節税を行うことのできる可能性が広がります。
節税を検討する際は、単に納税額を抑えるということを優先させてしまうと、結果として手元にお金が残らず、意味のある節税にならない可能性があります。
将来の売上増加や生産性の向上につながるような投資を行い、その結果として支出が増え、節税につながる、といった考え方をおススメしています。

12月頃:年末調整

年末調整とは、会社(雇用者)が社員の1年間の給料から所得税額を計算し、毎月の給料から天引きしている所得税額の合計から足し引きし、12月の給料で納税を完結させる仕組みです。

ところが、毎月の給料から天引きしている所得税額には、民間の生命保険料や地震保険料などの所得控除額は考慮されていません。会社では社員がどのような保険に入っていて、いくら保険料を払っているかは把握していないからです。そこで、年末調整で保険料控除を反映するために書類を使って、社員1人ひとりに尋ねるわけです。

年末調整で、社員の生命保険料控除や住宅ローン控除、等を行い、所得税の計算をしてあげます。
なかなか必要な書類を提出してくれない社員については、各自で確定申告をしてもらうという手もあります。

1月20日:源泉所得税の半期納付(源泉所得税の納期の特例に関する申請書を提出している場合)

「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」を提出している場合は、源泉所得税を国に納付するのは年に2回だけになります。
そのうちの1回です。
年末調整の結果も踏まえて、1年分のまとめとして納付しますので、ミスったら挽回するのは大変です。

1月31日:給与支払報告書

次の2点のいずれかを満たしている従業員の方については、パートやアルバイトなどの就業形態にかかわらず、給与支払報告書をご提出いただく義務があります。
平成28年1月1日をまたいで、継続して給与の支払がある方
平成27年中に退職された方、あるいは短期雇用などの方で上記の条件には該当しないが、平成27年中の給与の総支給金額が30万円を超える方
ご提出の際には、必ず平成28年1月1日の住所(注釈1)をご確認いただき、従業員の方が居住されている市区町村へ提出してください。
なお、平成27年中に退職された従業員の方の分については、退職時に居住していた市区町村へご提出いただく必要があります。

1月31日:償却資産申告書

償却資産税は、一般の方にはあまりなじみのない言葉かもしれません。事業に使用する固定資産に課税される税金のことですが、一般に広く認知されている所得税や法人税などとは異なる税金です。
償却資産税の対象となる資産は、事業の用途に使用する固定資産です。しかし、全ての固定資産が対象となるわけではなく、土地および家屋は課税の対象となりません。また、自動車税・軽自動車税の対象となる車両も課税対象となりませんので注意してください。具体的には、自営業の方が使用するパソコンや応接セット、工場などで利用している機械装置や工具器具備品などが対象となります。

償却資産税は、期限が1月31日となってはいますが、実際はもっと遅れても大丈夫です。
その理由は、自治体が税額を計算するのがもっと後だからです。
申告内容が間違っても、自治体が税額の計算が終わるまでであれば、修正も容易です。

3月31日:消費税課税事業者選択届出書(消費税の還付を受ける場合)

設立1期目は、売上があまり上がらないにもかかわらず、
・設備投資や、
・商品の仕入れ、
が多額になりがちです。

この時、受け取った消費税より、支払った消費税の方が多い場合は、消費税の還付が受けられます。

ただし、設立時の資本金の額により手続きが異なりますので、それぞれ見ていきましょう。

2) 資本金1千万円未満の注意点
資本金1千万円未満の場合、そのままでは免税なので、「課税事業者選択届出書」を税務署に提出して消費税の申告をすると還付が受けられます。

ただし、「課税事業者選択届出書」を提出した期の初日から2年を経過した日の属する期間、例えば、
・会社設立:10月1日(12月決算)の場合
・2年を経過した日(9月30日)の属する期間:設立3期目
になるので、設立3期目まで納税します。

3月31日:消費税簡易課税制度選択届出書

原則課税と簡易課税でどちらが節税につながるかどうかはケース・バイ・ケースです。ただし、いったん簡易課税制度を選択した場合、2年間は原則課税方式に戻すことができないため、設備投資の時期など、先を見越した適用が必要といえるでしょう。

翌事業年度に消費税課税事業者になる場合で、簡易課税制度を選択したほうが有利になる場合は届け出が必要になります。

消費税は、基本的には2年間は免税(消費税を納めなくてもよい)になりますが、場合によっては1年目、または2年目から課税事業者(消費税を納めなくてはならない)になる場合があります。
ちなみに、消費税は2通りの計算の仕方があり、自分にとって有利な方法を選べます。ただし、事前に税務署に、どちらの方法にしますよ、ということを意思表示しなければなりません。
それが、消費税簡易課税制度選択届出書となります。

5月31日:決算申告

ようやく決算までたどり着きました。
会社を作るのも大変です。

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