テスラ事故、負のスパイラルに突入か?

テスラ事故、負のスパイラルに突入か?

2017年に時価総額でGMを抜き、全米首位の自動車メーカーとなったテスラ・モーターズですが、その後の状況は決して楽観できるものではないようです。さらに2018年3月23日にカリフォルニアで起きた自動運転中のテスラ・モデルXの死亡事故により、さらなる負のスパイラルに落ち込む可能性が高まっています。

■ベイエリアでの事故 2018.3.23

北カリフォルニアのベイエリアを縦断する101号線でのテスラ・モデルXのクラッシュ現場をヘリから撮影

■「事故は自動運転中に発生」とテスラ社が発表

In the moments before the collision, which occurred at 9:27 a.m. on Friday, March 23rd, Autopilot was engaged with the adaptive cruise control follow-distance set to minimum.

テスラ社のブログ記事でのコメントから引用

■パナソニックは余波で株急落!

株式市場では「調査結果次第ではテスラの自動車生産が滞り、パナソニックの業績にも響きかねない」と警戒した売りが優勢になった。

エコプロのパナソニックブースにて

■生産に関するテスラ社の諸問題

「(テスラでは)組立完了後のやり直しが非常に多く、そこで多大なコストが生じている」と、かつてテスラのスーパーバイザーを務めたことのある人物は語った。

テスラ車のオーナーたちも、ウェブ上のフォーラムで、不快な異音やバグの多いソフトウェア、密閉性が低いために内装やトランクに雨水が染みこむといった問題点について、不満を漏らしている。

、最新型の「モデル3」の生産台数を引き上げられない状況だ。来年マスマーケットに投入するには必要だと自ら示した生産量に、遠く及ばない。

Photo by Alex Wong/Getty Images

■財務にも危機が・・・

伝統的な信用指標と先行きに関するリスクシグナルから、テスラのリスクの高まりが読み取れる。企業の倒産危険度を測るアルトマンのZスコアおよびダブルプライムZスコアに、潜在的な経営破綻リスクの高さが示されている。

米電気自動車(EV)メーカーのテスラは「構造的に赤字体質だ」と、空売り投資家として知られるジム・チャノス氏が述べた。資本構造の「レバレッジが高過ぎる」ためだという。

テスラ(TSLA.O)は、16日に発表したEVトラック「テスラ・セミ」とスポーツカー「ロードスター」の新型車の開発・生産のために、債権者や株主にさらなる投資を要請しなければならなくなるかもしれない──。複数のアナリストが17日、こうした見方を示し

山本隆三 (常葉大学経営学部教授)氏のコラムより引用

■期待されていたモデル3の生産遅れが解消できず!

テスラモータースの「モデル3」の生産が軌道に乗らない。17年10~12月期の3カ月間の出荷台数はわずか1,550台と月間500台に過ぎない。月間生産台数5,000台を目標にしていたが、目標達成期日を3度延期した。

量産車メーカーの洗礼を受けたテスラEVの誤算が鮮明になった。7-9月の第三四半期の損失は1株3.70ドルで、昨年同時期と明暗を分ける結果になった。同社初の量産車モデル3の生産遅れが足を引っ張ることになった。

モデル3の生産遅れに解決策がなければテスラ社は重大な経営危機を迎えることになる。

■こんな問題も・・・3年後の引き渡しの車に2800万円の前払い

イーロン・マスクは、また新しい資金調達方式を編み出した。25万ドル(約2800万円)の新型ロードスターの予約を開始したが、全額前金の支払いを要求しているのだ。さらに、電気自動車(EV)トラックの装備が充実した最上位クラスの予約も全額前金に条件を変更した。価格は20万ドル(2200万円)だ。

なぜそんなに資金が必要なのか。事業がうまくいっていないからだ。EV自動車事業では40万台以上の予約を集めたモデル3の生産が遅れ、2017年9月期の6億ドルを超える損失に結び付いたが、不調なのは自動車事業だけではない。

■テスラ社債はジャンクボンドに!

テスラは増資と転換社債(将来株式に転換可能な社債)により資金調達を行っていたが、今年8月に初めて普通社債を発行した。その格付けはBであり、ジャンク・ボンドとしても上から5番目という低さだった。

利率年5.3%、償還期間8年の条件で18億ドル(2000億円)が発行された。利率が高い社債の発行を行ったのは、増資と転換社債による資金調達が難しくなってきたからだ。

© atomixmedia,inc 提供

■危ぶまれる今後

組織から多数の有能な幹部が離れていくということは、トップに問題があることを示唆している。

テスラでは昨年、最高財務責任者(CFO)が辞任。3月上旬には最高会計責任者が、その翌週にも財務部門の幹部2人が辞任している。

テスラに対する信頼感は、徐々に低下していると考えられる。モデル3の週5000台の生産が達成できていないことを同社が改めて発表すれば、投資家の信頼は突然、失われるかもしれない(ブルームバーグの3月16日の報道によれば、テスラは2月に週936台のモデル3を生産していたと見られるが、生産ペースは3月に入り、鈍化しているもようだ)。

Source: KTVU via AP Photo、ブルームバーグ

28日の米株式市場で、テスラの株価が続落。23日にカリフォルニア州で起きたクロスオーバー車「モデルX」の衝突事故では原因がまだ分かっておらず、さまざまな懸念や臆測が飛び交っている。

絶体絶命のイーロン・マスクがこの窮地を脱するには、彼がこれまでそうしてきたように投資家に夢を与え続けることができるかにかかっているようです・・・

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