比較優位 ~競争するより協調する方が経済は潤う。

比較優位 ~競争するより協調する方が経済は潤う。

互いに得意な分野に専念し、不得意な分野はそれが得意な人に任せるという事ができれば分業による生産性はアップする。自国の得意な財の生産に特化し、自由貿易をすれば自国も貿易相手国もお互いさらに多くの財を消費できる。

比較優位を提唱した人

比較優位(ひかくゆうい、英: comparative advantage)は、経済学者であったデヴィッド・リカードが提唱した概念で、比較生産費説やリカード理論と呼ばれる学説・理論の柱となる、貿易理論における最も基本的な概念である。アダム・スミスが提唱した絶対優位(absolute advantage)の概念を柱とする学説・理論を修正する形で提唱された。

『比較優位』の前に『絶対優位』の説明

まず、A国とB国がそれぞれ労働者200人で、小麦と自動車を生産するとします。まず小麦について、A国は労働者100人で生産量が1000、一方B国は、同じ労働者100人で生産量は900です。全体の小麦の生産量は、合計1900です。次に自動車ですが、A国は労働者100人で生産量が500、B国は労働者100人で生産量が300です。全体の自動車の生産量は、合計800です。A国は、小麦も自動車もB国より絶対的に生産効率がよいですよね。これを絶対優位と言います。

同じ時間をかけても、魚捕りはAさんの方が得意、鳥を捕るのはBさんの方が得意です。このような「相手と比べて優れているもの」を「絶対優位」といいます。そして、Aさんは「魚捕りに絶対優位を持つ」と表現します。

Bさんは8時間魚ばっかり捕っていると24匹、鳥ばっかり捕っていると12羽捕れます。ということは、鳥1羽を捕る時間で、魚は2匹捕れるということです。ではAさんも同様に考えてみます。Aさんは、鳥1羽を捕る時間で、魚を8匹捕れます。Bさんにとっては「鳥1羽=魚2匹」ですが、Aさんには「鳥1羽=魚8匹」なんですね。

 経済学的な表現をすると、Bさんは、「鳥1羽」と「魚2匹」のどちらかを選ぶトレードオフ、Aさんは、「鳥1羽」と「魚8匹」を選ぶトレードオフなのです。

比較優位とは

比較優位とは自国の得意な財の生産に特化し、自由貿易をすれば自国も貿易相手国もお互いさらに多くの財を消費できる(得する)というものです。

自由貿易下の国際分業はお互いに利益を生むという理論であり、経済学者デビッド・リカードが提唱した理論です。比較生産費説とも言います。

比較優位に関してはアインシュタインと秘書の例がよく使われます。

アインシュタインは研究の他にタイピングなどの秘書業務も有能にこなせるとします。しかし、アインシュタインに秘書業務に専念させようと思う人はいないでしょう。雇った秘書に秘書業務を全部させて、アインシュタインは研究に専念させるべきと誰しもが考えるはずです。

同様に、仮にアインシュタインが誰よりも速く美しく掃除をこなせたとしても、掃除夫を雇った方がよいはずです。

このときアインシュタインは秘書と掃除夫に対して絶対優位にあるといいます。掃除夫は掃除がもっとも得意なら清掃業務において比較優位を持ち、秘書は秘書業務のスキルしか持っていなければ秘書業務において比較優位を持ちます。

単純な能力の比較ではなく、得意・不得意を比べて全体として最もプラスとなる分業をしましょう、といった意味です。

 Aさん 仕事1:60 仕事2:50

 Bさん 仕事1:40 仕事2:20

 (数字は大きいほど良いとする)

という2人の作業者がいるとします。この2人に、仕事1と仕事2のうちどちらかを割り当てることを考えます。この時の仕事の割り当ては2通りです(本来、これほど単純ではありませんが)。それぞれの数字を足し算すると、

 A:60 B:20=80

 A:50 B:40=90

となり、Aさんが仮に仕事1が得意であっても、仕事1をBさんに譲ることが最も良いという結果になります。

そもそも比較優位の考え方は、貿易に端を発しました。

国々が貿易する理由を考えた経済学者たちは、比較優位の考え方を発見しました。比較優位がある国同士が互いに輸出入し合い、お互いの生産性を高めていったのです。

しかしこの考え方は貿易にとどまらず、会社・個人などにも当てはめて考えることができます。

互いに(相対的に)得意な分野に専念し、自分が不得意な分野はそれが得意な人に任せる、という事ができれば、分業による生産性は格段にアップすることでしょう。

経済学には「比較優位」という考え方がある。元来は自由貿易によってすべての国が恩恵を受ける理由を説明したものだ。経済学のノーベル賞と言われるアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞を受賞したポール・サミュエルソンは、比較優位について「経済学はこれ以上含蓄のある発見をほとんどしていない」とまで言っている。

比較優位がないとどうなる?

比較優位がない場合、その技術に集中し続けると、最終的には国際競争に破れ去るということになります。たとえば、グローバルに展開しているモジュール化の流れを無視し、技術的絶対優位を信じて「ものづくり」に専念していても、残念ながら報われない可能性が高いのです。なぜなら、その技術に他国との比較優位がなければ、最悪の場合、国内ですらニッチマーケットでしか生き残れず、一国を背負えるだけの産業には成長しない可能性があるからです。

動画解説

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